ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部
主将のコラム

 

コラム ~#31 › コラム #30~#1

column#21

空道ルールへの提言1
安全性向上のために改正してほしいこと

拳のテーピングに制限を!

 写真は、前回の世界大会で某国の選手が拳にはめていたものである。テーピングテープを幾重にも重ねた、かなりの厚み・固さ・重さのあるもので、パンチ力を増すのに十分な効果を持つと考えられる。選手がこれを無断で使用していたならば、チェック体制が甘すぎる。また、選手が拳のケガをドクターに主張し、その結果、ドクターから着用を許可されたものだとしたら、“ドクターによる許可”のシステム自体に改善すべき点があるように思われる。

 体幹に近い部分の関節(肩・ヒザ・ヒジなど)の脱臼防止のため、ドクターチェックを受けてテーピング等を施すことは許されるべきことと思う。しかし、体の末端にある攻撃部位(スネや拳)のケガに関しては「ケガしたのは正確な攻撃を行わなかった者の自己責任である」「人生にかかわる障害を残すような症状ではない」「テーピング等を施すことによって攻撃力が増す可能性がある」という理由から、テーピング等を施すことは不可とすべきではないか。脳や頸椎、臓器の問題が見つかった場合、即ドクターストップとすべきだが、拳足の問題に関してはよほど重症でないかぎり「その部分は攻撃に使わずに闘いなさい」という意味で、無処置で試合出場させてよいのではないか?(とても重い怪我の場合は、ドクターストップで試合不可。そのどちらかの選択であり“処置を施したうえで試合出場”は認めない)

バンデージの禁止を!

そもそも、現在使用が許可されている「空道バンデージ」自体、空道が、グローブ競技に対するアイデンティティーとして“素手の技術”を標榜しているのなら、なぜ使用が許可されているのか、疑問を感じる。素手による闘いを想定しての競技であるなら、「バンデージで補強しなくては骨折してしまうような打ち方」をしている輩が悪いのであって、皮膚を裂傷から守るための拳サポーターのみの着用で闘うことができる技術を選手が有していなければ、おかしい。にもかかわらず、写真にあげたようなガチガチのテーピング+バンデージによって増した拳の質量・硬度を武器に、ハードパンチャーとなりえている選手が多く存在するように思える。

ダウンカウント(秒数経過に応じて有効→技有→一本となるシステム)の廃止を!

 現行の効果(立ち技打撃における効果)を「有効」とし、これまでの有効を「技あり」、これまでの技ありを「一本」とするくらいが妥当ではないか?
 急所部位に的確に攻撃をハードヒットし相手に打ち返されることがなければ「有効」、グラッとさせたら「技あり」、ダウンさせたらカウントなく即「一本」というくらいの基準である。
 これにより、ダウンした選手に対し、速やかに処置を施すことが可能となり、安全性は増すと考えられる(「効果」はグラウンド状態の相手への「キメ打撃」「強く鮮やかで、それでいて脳や頸椎に大きなダメージを与えない投げ」にのみ与える)。
 そもそも、実戦ならすでに敗れているはずの選手をダウンカウントによって救済し、試合を続けさせることは、選手にダメージを蓄積させることに他ならない。セカンドインパクトシンドロームなどの危険性から考えて、ダウンカウントは廃止されるべきだ。

 安全確保以外にも、ダウンカウントを廃止すべき理由はある。

  1. ショーでなく武道であるため。そもそもダウンカウントは、試合を「見世物」として面白くするために生まれたものである。負けそうになった者を救済することで、逆転勝利のドラマが生まれる確率を増やすためのシステムである。実戦においては、相手を1 秒間意識の途切れた状態にさせられれば、その無防備な体に、さらに追撃を加えることも関節技を仕掛けることも可能なわけだから、ショースポーツとしてでなく武道として行われている競技において「ダウンしてから2秒間経過につき有効→技あり→一本となる」というようなシステムを採用しているのは甚だおかしい。そもそも主審が二人の選手の間の割って入るという行為は路上の現実でいえば「アンタ、これ以上殴ると死んじゃうから、ここまででストップよ。勝負あった!」という瞬間を意味する。現状の「主審が割って入って攻撃をやめさせてから、ダメージの回復を待って闘いを再開する」のは現実に即していないうえに、残酷ショーを誘発する。たとえ選手がダウンしなくても、一方的な攻撃が続いて主審が割って入ったら、即「主審判断による一本」とすべき。プロボクシングでも、その基準でKOとなる。
  2. 打撃系選手と組み技系選手に対する公平性を増すため。実戦を考えれば、打撃でダメージを受けたときにだけ回復のチャンスが与えられるのはおかしな話である。ある意味、現状のルールは、組み技系の選手にはハンデを与えているようなものである。
  3. ルールの単純化のため。スポーツ競技普及の二大原則は「ルールが単純明快であること」「用具にお金が掛からないこと」である。柔道で1976年に“効果”を採用してから30 年を経て、2009 年に再び、消滅させることとなったのも、ルールの単純化を目指しての側面がある。空道でも「立ち技打撃における効果」と「秒数経過に応じて有効→技有→一本となるシステム」を撤廃すれば、これまでに生じていた“4 段階に揚げる旗の角度分かりづらく、主審が確認のために試合が中断する”といった現象をなくすことが出来る。

試合を中断してケガを治療するのは禁止に!

 相手の反則攻撃によってでなく、自らの動作が原因でケガをして闘いを継続することが不可能となった場合も、主審が割って入ったり「待て」を掛けた時点で一本負けにすべきかと思う。

 選手側から「コンタクトがズレたから」「脱臼したから」「テーピングがズレたから」といった理由のもとに、主審に「ちょいタイム!」と声をかけることは不可。そのような状況で選手に許されるのは「試合放棄」の宣言のみであるべきだ。実戦を考えれば「自らの動作が原因でケガをして闘いを継続することが不可能になった者」だろうと、殺される。「疲れたときの時間稼ぎの偽称」も起こりえる。そもそも、自分がケガをしないように動作することこそが技術であり、ケガをしたということは技の未熟さを意味する。

 試合を中断し、ケガをした者に医師が治療を施し、試合を再開するということも、あってはならない。
 ボクシングでもキックボクシングでも、医師には、試合終了までは「試合を続けてよい状態なのかどうかの判断」のみが許される。仮に試合中にケガをした場合に医師が治療をしてよいのであれば、どこまでの治療をOKとするのか基準を定めることが出来ず、脱臼したら関節を入れ直して続行、皮膚が切れたら縫合して続行……キリがなくなってしまうからだ。だから試合を中断しての治療はしないが、逆に、試合の終了が宣告された瞬間、選手のもとに駆け寄り治療にあたる。「闘いが始まってから闘いが終了するまでは第3 者が手を貸してはならない」「試合前・後の安全管理は徹底する」の両面を徹底しているのだ。

 先日の笹沢vsコノネンコのような展開があった場合は、コノネンコがしゃがみ込んだ時点で、副審は(反則攻撃による負傷なのか、コノネンコ自身の動作の結果としての負傷なのか、笹沢の攻撃によるダウンなのか判断がつかなくとも)まずはダウンとみなした旗を挙げ、後の確認で、それが反則攻撃による負傷だと判明した場合のみ「取り消し」のジェスチャー(柔道ではよくみられる)を行うのが妥当かと思う。

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