人は大人になるたび弱くなるよね
ふっと自信をなくして 迷ってしまう
…って、浅香唯も唱ってたっけな。
まったく、その通りだ。
審査会で白帯の組手をみる度に「よく、あんなに思いっきり打て
るなぁ」と思う。
相手がディフェンスできないような状況をつくってからの攻撃ならともかく、なんの崩しもなく、1 発目から、思いっきり拳足を振るっている。そのような状況では、相手がスネ(ヒザ)や前腕(ヒジ)でブロックするだけで、攻撃を繰り出した側は、拳やスネに大きなダメージを負う。
向こうみずな攻撃を繰り返している彼らも、経験(痛み)を重ねるにつれ、コントロールした攻撃のみを繰り出すようになる。
技術面のみではない。精神的な面でみても、入門時「オレって凄いんじゃない?」と、自信に溢れていた不良少年も、上には上がいることを知り、おとなしくなっていく。
たしかに「人は大人になるたび弱くなる」わけだ。
でも「大人になるたび弱くなる」っていうのは、言い換えれば「自分の弱さを知ることで大人になる」ってことなんじゃないかな?
「結局、オレごときは、ナンバーワンにはなれないんだ。上には上がいるんだ。従うしかない相手が永遠にいるのなら、“真ん中”くらいの立場から、自分より下の相手にだけ威張るなんて、情けねぇよな。だったら、答えは、誰にでも優しくすることしかない」
そういう気づきを与えてくれることも、痛みを与えあうスポーツ=格闘技のよい点かと思う。
ちなみに主将は、ナンノ派。