ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

コラム ~#31 › コラム #30~#1

column#3

2011階級別全日本所感

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 平安孝行は昨年まで数年の間、動きが鈍っていたと思う。カウンターの一発狙いだったり、パワフルになった代わりにスタミナがなかったり・・・・・・。それが今回、「パンチのコンビネーションから蹴り」の回転がとても速く、投げてから、関節技で一本を取るまでも、流れるようにスムーズ。復調というか、まだまだ成長していると思った。
 準優勝の草薙一司にも脱帽。44歳にして、学生に劣らぬスタミナを有し、打撃も巧ければ、組んでは巴投げ→キメといった空道ならではのテクニックも見事だった。30代中盤から競技に取り組みはじめた、彼のような選手が活躍できるのも、空道が他の競技のキャリアを活かしやすく、安全性がキープされているからこそ。この草薙も、ベスト4に入った松山尚也(同じく44歳)も、柔道出身。柔道を飽きるまでやり尽くした人が、セキャンドキャリアとして“楽しむ”“もう一度燃える”ことができるのも、空道のよきところといえるだろう。
 一方で、格闘技の経験は、体育の柔道すらないにもかかわらず、2年弱のキャリアで、優勝候補の宮地孟を5-0で破った早大の谷井翔太のような存在もいる。
 今後、今回欠場の中村知大・末廣智明・亘理嵩麿、今回途中棄権した近田充あたりが加わって、世界大会出場権を争う闘いがどのように展開されるのか、期待したい。

-240

 決勝の堀越亮祐×田中俊輔は、半年前の無差別準々決勝の再戦。その際は、僅差で田中が勝利したものの、田中が負傷したために堀越が準決勝に駒を進めることとなり、結局その堀越が決勝にまで進出。無差別準優勝を果たした。
 迎えた今回の試合では、本戦は完全に堀越が優勢だった。胸前からスッと出す“突き”と蹴りのコンビネーションが冴え、マットを滑るかのような低い重心移動のステップワーク&柔らかい上体の動きで、冷静に相手の攻撃をスカす。
 ところが、田中は、かろうじて拾った延長戦で、ニーインベリーからのキメで効果を奪取。打撃決着と思わせる試合の流れの中で、虚を突くようなかたちでポイントを引っ繰り返すと、その後は、上段前蹴りやヒジで終盤をまとめあげ、リベンジを許さなかった。
 この他には、内田淳一の教科書通りの空道スタイル、柳川慶夫のカウンター突きの組手が光っていた。

-250

 優勝した鈴木清治に関しては、GBRなり、ゴンカクなりの媒体で扱われるだろうから、ここで述べるまでもない。鈴木に対し、逆転に次ぐ逆転のポイントの奪い合いを演じた吉濱実哲、復調の兆しをみせた笹沢一有、粗削りながらメンタル&フィジカルの強さをみせる鈴木智大、その鈴木からダウンを奪う一方で平田誠一に投げ勝った佐々木亮一が、目についたところ。昨年の決勝を争った勝直光(今回は地区予選敗退)&曳田佑一(今回は準優勝した魚津礼一に2回戦で敗退)には、昨年の成績がフロックでなかったことを証明して欲しいし、A.コノネンコの復帰も待たれる。
 来年が楽しみだ。

-260

 優勝した阿部和幸は、相変わらず、安定した打撃と、投げ→関節技でソツのない攻守をみせ、難なく優勝。仕事の事情で、ワールドカップの代表権を辞退せざるを得なかった無念は、ぜひとも次回世界大会で晴らして欲しい。準優勝の山田壮に敗れてしまったものの、三木英人は、立ち技での軸のブレのなさ・寝技での極めの強さとも「おっ!」と思わせるものがあった。
 阿部に敗れたとはいえ、パンクラスのタイトルコンテンダーだった久松勇二の美しき内股の連発にも、目を見張るものがあった。こういった投げ技は、MMAではなかなか決めることの出来ない技だが、ジャケットありの空道では、柔道出身者が水を得た魚のように使うことが出来る。MMAよりむしろ空道向きの選手だと思うので、大道塾外の選手として初の日本代表入りを果たして欲しい。

260+

 加藤久輝は強かったけど、厳しく言うなら、この1年間の成長度は、そんなにめざましくはないと感じる。テイクダウン際から襟絞めに移行する流れなど、研究の跡がうかがえるが、ポテンシャルが高いからこそ「もっと巧くならなきゃダメ! もっともっと強くなれるのに、現状で勝ててしまうから慢心しているんじゃないか?」ともどかしく思ってしまった。“井の中の蛙”で終わらぬよう、並行して他競技(MMAなど)にも挑戦し、揉まれた方がいいかも?

全体を通じて感じたこと

 総本部や、“元有名選手”の仕切る支部でなく、岸和田や秋田といった地道な活動を続けてきた支部の選手の活躍が目立った。上位進出者が、いろんな地域に散らばっているのは、いい傾向だ。

(以上、敬称略)

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