ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

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column#36

「空道」と「大道塾」が混同されていないか?

「空道は競技の名称」
「大道塾は団体名」
というのが、それぞれの言葉の定義として、正しいのであれば「これは、おかしいのでは?」と思うことがある。

1.「空道の基本」「空道の段位」ではなく「大道塾の基本」「大道塾の段位」ではないか?

 「空道競技」は、ムエタイスタイルで闘おうと、WKFスタイルで闘おうと、ボクシングスタイルで闘おうと自由だからこそ“空”“道”なのであって、空道連盟大道塾の稽古で行われる基本稽古・移動稽古等は「空道競技を創始し、空道競技で勝つための稽古に主軸を置く武道団体・大道塾の内部においてのみ規定・実施されるもの」なのではないか?
 であれば、それらは「空道の基本」「空道の移動」と呼ぶべきではなく「大道塾の基本」「大道塾の移動」とすべきではないか。「空道という実戦的ルールでの勝利を目指すうえで、大道塾という団体が選んだ基本スタイルがコレですよ。大道塾に所属しているならば、まずはコレを確実に身に着けなさい」という意味のものであるべきでは。とすると、大道塾内のレギュレーションで行われる審査会の結果、得られる級・段位も「空道の級・段位」でなく「大道塾の級・段位」(もしくは「大道塾空道の級・段位」と呼称されるべきなのではないか

2.空道連盟の職務と、大道塾の職務は分離できているか?

 かつて、大会開会式における空道連盟役員の挨拶で「他流派の皆さん
も・・・」というような発言があった。連盟からみれば、加盟各団体に自流派も他流派もないはずなのに、このような言葉が発せられるのは「連盟=大道塾」という意識があるからか、と。
 また、大会審判のライセンス試験問題に、大道塾の道場訓を書かせる設問があったことにも、疑問に感じる。空道連盟の審判には、大道塾のみならず加盟各団体所属者(さらにいえば、柔道・レスリング競技同様、競技経験のない者)が加わってこそ、より公平さがアピールされる。試験問題は、「空道競技の審判をするために必要なこと」が問われるに限るべきで「大道塾の歴史・理念」等を問うべきではないのではないか。
 これらの問題を解消していくためには、今後「連盟」と「大道塾」の運営の分離を進めていくことが望ましいかと思う。「空道連盟理事長と、大道塾塾長は別人物を擁立し、連盟の運営には、競技者出身ではない事務方のエキスパートを起用し、逆に大道塾は、武道の流儀に則り年功に応じた人事で固める」くらいの差別化が理想か、と。

柔道の場合、「講道館柔道」以外に「○△流柔道」があるわけではないから、講道館規定の審査方式で得られるものが「柔道□段」であって問題がないわけだが、空道の現状の場合「中村和裕は吉田道場の有段者として、キーナン・マイクは大道塾の有段者として空道競技に挑む」とみなした方が、矛盾が生じず、普及にも繋がりやすいのではないか。空道=大道塾としてしまうと、空道連盟への(大道塾以外の)加盟団体にも、大道塾の基本・移動稽古・審査のレギュレーションを求めることになりかねない。競技普及のモノポリーを第一に考えるならば、空道連盟加盟にあたって求めるべきは競技における“礼法”の遵守のみで、技術や段位にかんしては、加盟各団体に委ねるのが妥当かと思われる。武道スポーツの大先輩である柔道に学ぶところは多いが、柔道のすべてを倣う必要はない。

[追記]
以上とほぼ同様の書面を連盟に送付し、会議の議題にしてもらったが
「空道の基本=大道塾の基本、空道の段位=大道塾の段位という認識
で」との結論に。ただし「空道連盟に加盟した大道塾以外の団体が、どのような稽古を行い、どのような技術を養うかは、まったくの自由。独自の段位を与えるも自由」「むろん、空道競技において、ルールに反しない技術であれば、どのような技術を使うも自由」とのこと。……その認識さえオープンになっていれば、普及に支障はないだろう。

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