ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

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column#38

稽古頻度論。
“社会体育”という言葉に甘えてはいけない。

 当水道橋支部の稽古は週3 回しかないが、実は、当チームに所属していれば(つまり月会費3,000 円で)、空道の稽古を週6 日行うことは可能だ。
 出稽古を活用すればいい。
 まず、早大。早大OBや、学生の練習相手になるレベルの技術をもつ人は、ぜひ早大の稽古に参加しよう。月曜・土曜は、社会人も参加可能な時間帯に稽古が行われている。ただし、早大の稽古時間は学生の行事などの都合に合わせて随時変化するので、要注意。HP(http://wasedaido.com/index.html)をみて稽古時間を確認のう
え、赴こう。
 また、総本部は月3回までは出稽古が無料だから、金曜に行われている中井祐樹先生のクラスに出て、レジェンドのテクニックを直々に教わるのも、よいだろう。
 バランスから考えて、この他、週1日くらいは“一人練習”を行うことを勧める。ラントレーニングやウェイトトレーニングといったフィジカル系のメニューに取り組むのももちろん有効だが、スキル系で考えても、週1 度くらいは、シャドートレーニングで、打撃から投げ・寝技まで、黙々と「自分の動き」「教わったこと」を反芻した方がよい。
 先輩から教わる→自主練習で反復→スパーで使ってみる→反省点を自主練習で改良→スパーで使ってみる→先輩からもう一歩先のことを教わる……といったフィードバックを重ねることこそが、技術向上に繋がるからだ。

 以上を例にまとめると、以下のようになる。

月=早大(18:45~20:30 くらい)に出稽古
火=水道橋支部の定時稽古参加
水=水道橋支部の定時稽古参加
木=水道橋支部の定時稽古参加
金=総本部・中井先生・能登谷師範代クラスに出稽古
土=早大(13:15~15:00 くらい)に出稽古
日=完全休養日
(月~土のうち、仕事の都合で道場での稽古が出来なかった日は、一人練習で、スキルOR フィジカルのメニューをこなす)

 大会で好成績を収めることを目指すなら、これくらいの稽古の質は、目指して欲しい。
 もっとも「平日の夜は接待や残業で、なかなか都合がつかない」という企業戦士も多いだろう。そういう人は試合での活躍を目指すのは無理なのか? というとそうでもない。上記スケジュールは、あくまで理想的なスケジュールの一例である。
 平日はまったく練習できない代わりに、土日に集中して“定時稽古”“自主トレ”“他競技の道場へ出稽古”を組み、週末だけで10 時間近くの稽古量を確保し、好成績を残した選手もいる。
 毎朝、一人練習を積んで、スピード・フォーム・イメージを高めることで、対人練習をほとんどこなしていないにもかかわらず、活躍した選手もいる。
 週2 回しか稽古できない分、高い集中力をもって取り組み、かえって“手抜きのない動き”が習慣化した事例もある。
 要は気持ちと工夫。
 空道の選手のみならず、キックボクシングやフルコンタクト空手といった他競技の選手でも、多忙な職に就きながら、トップの座を守り続けた選手は何人もいる。
「忙しくて稽古時間が取れなくて…」という言葉は吐くなかれ。
“社会体育”という言葉に甘えてはいけない。

“何かコトを成し遂げるためには、毎日、練習・勉強を積まなきゃダメ”という感覚は日本人特有のものに過ぎない。練習の頻度・量が増えれば、反比例して、各回の練習へのモチベーションは低くなるのが必然なので、他人の3 倍量練習したからといって3倍上手くなりはしない。感覚としては、“週2 回は週1 回の(各個人比において)1.5 倍上手くなる。週6回は週2 回の1.2 倍上手くなる”くらいの表現が妥当か。
 そういった現実に加えて、スポーツ競技においては、パフォーマンスの出来・不出来が、持って生まれた資質に拠る度合いが高い。従って、特にフィジカルに頼る面の多い競技においては、週3回しか練習していない人が、週6 回練習している人よりよい成績を収めてしまうことは、珍しくない。
 アメリカにおいては中学生や高校生が“週6 日、年間を通して一つの競技の練習を行う”ことは少ない。MBL、NFL、NBA で活躍する選手でも、10 代の頃は“シーズンごとに野球とバスケを半々でやっていた”とか“フットボールでも一流だけどレスリングでも州王者だった”というような具合。
 日本において、毎日練習している者のみが結果を得ているとしたら“一意専心でなければ物事は成し遂げられない”という思い込みによって、毎日練習をしていない者が自信をなくしたり、毎日練習している者が自信を得たりした結果かと思う。
 週1 日なり、2 日なりしか稽古時間の取れない者も、自信をなくしてはいけない。一方で、環境の許す者は“週6回練習しても週2 回の1.2 倍くらいしか上手くならない”ことを分かったうえで、その0.2 を求めて、可能な限りの稽古量をこなさねばならない。

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