ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

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column#39

最後の……稽古内容について考える その2
「基本で始まりスパーで終わる」がベストなのか?

 かつて主将が学生だった頃、多くの道場では、アップ→基本の後は、自由練習が1 時間くらいあって、稽古の最後に約束組手→ガチスパーの時間が30 分くらいあった。
 当時は深く考えることもなく、稽古が「基本で始まって、最後にスパーで終わる」のが当たり前と思っていたが、今になって振り返ると、あまり合理的なメニュー構成ではなかったように思う。

――自由練習の時間は、誰からの指導も与えられず放置され、延々、サンドバッグ打ちとシャドーをするしかない→しかし、稽古の最後に一番ハードなメニュー、ガチスパーがあるので、心の片隅に体力を温存したい気持ちがもたげ、サンドバッグ打ちやシャドーで全力を出し切れない→スパーに至る頃には心身が疲労しているので、反応やフォームが乱れ、崩れた攻防しか出来ず、その失敗体験のイメージが残って、クセづいてしまう。

 こんな悪循環を引き起こしやすい稽古だったのではないか?
 もちろん、実際の競技大会では、トーナメントを勝ち上がるにつれ、疲労が溜まった状態でいかに心身を奮い立たせられるかが勝敗を分けるようになるのだから、疲れた状態でスパーを行うことにも、意味はあろう。
 だが、基本的には、スパーは、稽古のなかでもっとも神経が研ぎ澄まされていて、疲労はなく、かつウォームアップや動きの確認作業を済んでいる時間帯に行うべきではないか?
 逆に、スパーの後にこそ、サンドバッグ&ミット打ちで心肺機能をいじめ抜いたり、心ゆくまで技の研究を行ったりすべきではないか? 余力を残すことなく、打ち込めるはずだ。
 このような論理から、以下のようなメニューの実施順を考える。

ウォームアップ
→技のフォーム確認(基本稽古や約束組手や組み技の打ち込み)
→スパーリング系のメニュー
→サンドバッグ&ミット打ちなど心肺機能をいじめるメニュー
→技術研究(指導を受けるか、自由研究)
 ただし、毎回、決まった順で稽古メニューを進めるより、順番を入れ替えたりする方が心身に刺激を与えられるので、ときには前半で心肺機能をいじめ抜くメニューを行ってから、最後にスパーを行うとか、日によって変化をもたせることも効果的なはずだ。
 たまには、基本稽古を稽古の最後に行うのもよいかもしれない。その方が、実は、力をセーブせず、全力で拳足を繰り出せたりして。

 結局のところ、疲れていない状態でスパーを行った方がいい面があったり、一方で、疲れ切った状態でスパーに挑むことにも、意義があったりするわけで、どういう稽古メニュー順が正しいとか、どういう順じゃなきゃダメだということは、ない!
 ただ、「どういう稽古メニュー順をメインにして、どういう順をイ
レギュラーとして与えるか」ということを、指導者は考えるべきだ
と思う。

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