ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

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column#45

最後の……稽古内容について考える その6
シチュエーション・スパーを積もう

 

 MMAの世界で、近年になって「日本じゃ、普通のスパーしかやってないけど、アメリカだと、シチュエーション・スパーが盛ん」というようなことがよく言われるけど、早大では、少なくとも10年以上前から、このシチュエーション・スパー同様の"約束組手"を行ってきたよな。
 主将にとって、このシチュエーション・スパーという呼び方は、大学の体育の授業か、レスリングサークルで、太田章先生が口にしたのを聞いたのが、最初だったと思う。
 そのとき、指定されたのは、右四つの差し合い、左四つの差し合い、右足を持たれた状態、左足を持たれた状態・・・・・・からスパーをスタートするもの。おそらく、太田先生が米国留学中に学んだ練習法かと思われる。後に採用される延長戦クリンチルールを見越していたかのようなこのスパーを経験して「これって、空手でいえば約束組手だな。組み技でも、こういうのがあるのか。だったら、打撃+組み技でも、いろんな状況設定からスパーを開始するといいかも」と思ってな。
 そこで、早大の稽古に採りいれた「打撃+組み技のシチュエーション・スパー」が……

といった内容。
 ひとつのスパーを1回15秒~1分程度の時間設定で、先手・後手をチェンジしながら、積む。一日に8パターンを30秒交替で行う場合は、30秒×2×8で、実質16分間を要することとなる。
 このメニューの目的は、まんべんなくいろんな展開への対応力をつけることと、"キワ"の攻防に強くなること。
 打撃だけ、投げだけ、寝技だけのスパーをやっているだけだと、その繋ぎのテクニックだとか、その繋ぎのテクニックに対する対応だとかが、磨かれないケースが多いんだよね。そこで、その"キワ"の瞬間の反応を高めるべし、と。
 笹沢一有あたりの、投げた後のポジション取りがスムーズなのは、こういったメニューの効果だったのではないか、と(ドヤ顔?)。自分がずっと前から行ってきたのと同様のことが、遠くアメリカのMMAジムで今、行われていると知って、嬉しいような気もする(さらに自慢?)。

このメニューは、シチュエーションを限定してはいるが、そのシチュエーションとは、打撃・投げ・寝技が複合された状況なので、全習か分習という面でいえば、全習に相当する。ピリオダイゼーションのうえでは試合が近づいた時期に行うメニューである。30秒スパーの繰り返しなので、ミドルパワー領域のエネルギーの発揮の仕方がメインとなり、心肺機能に負担が掛かる。また、グラウンドで上になった者は、打撃ジェスチャーでの"効果"を狙う、下になったものは直接打撃を加える、下になった者は抱きついての膠着を狙う……などで競技ルールへの適応を図る(試合前以外は、技術発展のため、膠着を誘発してはならない。されど、現実の試合においては膠着を巡る展開があるのだから、膠着を巡る攻防に慣れておかねばならない)。

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