ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

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column#5

「基本稽古」とか「型」について考える

なぜ「型どおり」からはじめなくてはいけないのか?

 まず最初に、ごめんなさい!
 よく主将は、稽古中、初心者のフォームをみて「それ、ダメ!」って注意するけど、本当は「絶対にダメなフォーム」なんて、ないんだよね。
 正確にいえば「どんなフォームでも悪いとは言い切れない」んだよな。そのフォームが、これまでに導き出されたセオリーから外れていても「その人固有の体型や能力(関節可動域とか)に合ったフォーム」なのかもしれないし、ひょっとしたら「今まで誰も気づかなかった革命的なフォーム」なのかもしれないし、そもそも「結果として、組手で支障がでていないのであればOK」という面もある。

 それでも、やっぱり、主将は「それ、ダメ!」って言うよ。
 チームのなかで「初心者には、この技とこの技をこのフォームで身につけさせる」というガイドラインを定めておかないと「前回はB先輩からジャブに右クロスを合わせる技を教わったんですけど、今回、A先輩から『そんなの無理だから、ジャブが来たらパリーだけしろ』って怒られました」といった混乱を生みかねないからな。
 だから、まず、便宜的にチームのメンバー全員に「水道橋のオフェンスの基本」「水道橋のディフェンスの基本」を、打撃・投げ・寝技の全分野において、覚えてもらうわけで。
 そのガイドライン上のフォームをまだ覚えきっていない人に対して(帯色問わず黒帯に対してでも)、「それ、ダメ!」と言うのであって、一度、ガイドラインに沿った動きを身につけた人が、オリジナルの技・フォームを展開することに“ダメ出し”することはない。

 例えば、こういうことだよな。
 WKF(いわゆる伝統派)の空手の経験者がウチに入ってきた場合、すでに彼が持っているであろう「正中線を守り、ヒザの“抜き”を使ったステップを用い、並進運動のエネルギーを拳に乗せて直線的に突いては、体幹の水平回転運動を使ったパンチを返すことはせず、再び遠い間合いに戻る」スタイルは、実は、総合格闘技(空道含む)にそのまま適応しうる。
 また、ムエタイの経験者がウチに来た場合、彼が習慣としているであろう「パンチは一発目から思いっきり打つ。強弱をつけた細かな連打はしない。パンチを打つとき、脚はあまり回転させない」スタイルは、相手に組み付かれにくい、ローキックを効かされにくいといった点では、総合格闘技に適したパンチの打ち方だといえる。
 それでも、ウチで行っているパンチの基本がボクシングをベースとしているかぎり、彼らにも「ウチの基本=ボクシングベースのパンチの打ち方」を、後輩を指導できるレベルになるまでは、覚えてもらう。もちろん、ボクシングスタイルのパンチの打ち方にも、空道に適した面が多々ある。その「ウチの基本」を身につけてから、彼ら自身が、組手においては元のスタイルに戻すかどうか、選択することが許されるということだろう。

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