今回の世界選手権、私個人の、対戦表への書き込みメモから判断すると、+270クラス予選Bリーグでは、シャロマエエフ・エヴジィニがセルヒー・イサイェヴィチに一度一本勝ちしていたにもかかわらず、予選リーグ決勝として再び闘い、エヴジィニがまたもや一本勝ちで返り討ちしたことになっている。私の記録の間違いであればよいが、これが事実であれば、大会のシステムに大きな問題がある。
まず、一度雌雄を決した二人の選手が、その日のうちに「リ・マッチ」を行うこと自体が武道的でないし、何より「1日に同じ相手に2度ノックアウト負けする」という事態を生じさせることは、安全面において問題がある。
この度、連盟の会議を経て「大会前の一定期間内にダウンした者には、出場権を与えない」ことが決定となった。セカンドインパクト・シンドローム問題に配慮してのことである。ここまでの配慮をしながら、一方で「大会当日、ノックアウト負けした者に、次の試合を行わせている」のでは、アンバランス感は否めない。
頭部打撃ありの格闘競技で「1DAY」で五角形戦やリーグ戦を実施した場合、初戦でノックアウト負けした選手にも、次の試合の機会が与えられることになる。「大会前の一定期間内にダウンした者には、出場権を与えない」のであれば、そんなことがあっていいはずがない。
「大会前の一定期間内にダウンした者には、出場権を与えない」と一律の(一律に近い)基準を保つためには……
・リーグ戦・五角形戦は行わない(もしくは「その日ダウン(技有以上)を喫した選手は、当日の以降の試合では技有を喫した時点で負け」とする)
・全日本選手権の地区予選における、準決勝以降の試合では、有効1時点で試合終了とすることでダメージの蓄積を防ぐ
・全日本選手権やその地区予選ほか、あらゆるトーナメントにおいて、ダウン(技有)を喫しながらも勝ち上がった選手に対しては、以降の試合では技有を喫した時点で負けを宣告する
……といったルールを敷くことが妥当ではないだろうか。