ジャケットMMA≒柔道+空手 KARATE+JUDO≒KUDO 御茶ノ水(淡路町・小川町)にある総合格闘技道場。

(社)全日本空道連盟 総合武道 大道塾 御茶ノ水支部

主将のコラム

コラム ~#31 › コラム #30~#1

column#48

古い水夫の独り言

 2年間のコーチの任期、満了。12月いっぱいで早稲田大学準支部の指導から身を引いた。木曜23:00過ぎまで水道橋で指導して、金曜は9:00から大学で指導。土曜は大学で15:30まで指導して、16:30からは水道橋で指導。そんな週末の過ごし方もおしまい。
 理由はコラム#42※1のとおり。2年前に「最後にしっかり指導して身を引こう」と思い立った時点では、想像していなかったんだけど、この2年間で水道橋支部が大きくなって、運営に専念すべき状況になっている。後輩へ伝えたいことを伝えきって、悔いなく支部の運営に集中できるのは、タイミングに恵まれたと思う。
 今後当面、古巣には、年1度のOB会以外、顔を出さないつもり。稽古に出れば、結局「あぁした方がいいんじゃないか? ここがダメじゃないか?」と口出ししたくなるのは目にみえてるからな。それじゃ、何も変わらない。あらたにコーチに名乗り出てくれるヤングOBがいたときに、長老がいたんじゃ、指導方針を変えづらいだろうし。雛鳥たちが「うわ~っ。ホントにこれからは一人で空を飛んでいかなきゃいけないんだ」ってピーピー鳴いているサマを、親鳥が振り返らず、巣を去っていくからこそ、雛鳥は飛べるようになる(笑)。

・稽古前の用が長引き、稽古開始時刻に息を弾ませ辿り着いたら、誰も来てない。独りぽつん……。
・前回の稽古に来てたヤツが今日は来てなかったり、前回の稽古に来てなかったヤツが今日来てたりするから、結局、同じことを毎回指導して、半年経ったけど、また今日も同じ説明をしないと、出来てないヤツがいる……。
・参加者が茶帯レベル2名に、初心者が3名。どんなメニューで稽古すりゃ、上級者も初心者も満足させられるのか……。

 こういった状況。

 こういった状況が続いたとき、イライラしたりせず、かといって冷めてモチベーションを下げてしまったりもせず、情熱を持って、かつ、冷静に、もっとも適したメニューを選択するのは、本当に難しい。
 逆にいえば、そういった状況で"心を整える"ことができるようになることこそが"強くなる"ということだと思う。試合場で使う技術は、いくら身につけたところで試合場でしか使えない。でも"強い心"を身につければ、それは、社会生活全般で役立つ。

 ここで述べていることは「自分が試合でベストの結果を残すための稽古を控えて、チームのために奉仕しなさい」という意味ではない。「チームのために裏方に回らざるを得なかったから、成績を残せくてもしょうがない」では、ただの言い訳だ。「オレはまだ本気出してないだけ」的な。いつ、本気出すんだよ? スポーツにしろ芸術にしろ仕事にしろ、やる限り、それぞれの自己ベストの成績を目指すべきだ。武道・格闘技をやる場合、自分のための稽古をして、試合で結果を残し、揺るぎない自信(アイデンティティーっていうやつ?)を獲得して、結果、より周囲に気を配ることができるようになるっていうのがあるべき道筋だ。
 要は、ここで述べているのは「自分にとってよい稽古ができる環境をつくるために、チームメイトを育てなさい。奉仕はそのために」ってこと。

 オレ、16歳で大道塾に入ったから、大学に入ったときには、サークルのほとんどのメンバーが"後輩"で、1年生のときから指導する側だった。だから、25年間、指導してきたわけで「よく、そんなに長くボランティアで教えましたね」と褒められることもあるんだけど、そうじゃないんだよ。
 この朝岡秀樹は無償の愛で人になにかをしてあげるような"いいひと"ではない。そんなわけがない。みりゃわかるだろ。
 ま、そこにあったのはWinWinの関係ってやつだよな。
 自分が選手だった頃は、自分が練習するために、都合のよい練習相手が欲しいからこそ、教えた。まずは相手に上手くなってもらわないと、質の高いスパーもミット打ちもできない。だから、焦らず、まずは相手を育てた。

 指導者を志すようになってからは、教えることで、自分の"教える技術"を磨いていた。インターン美容師と、カットモデルの関係。見習いはお金を取らなくて、カットモデルはタダで髪を切ってもらえて、当然だ

 それって、素晴らしい道のりじゃないか。
 そうやって、先輩から教わった後輩たちが、さらにその後輩たちに教えていけば、どんどん競技の裾野は広がっていく。
 みんなにも、教えるってことは「金にもならないのに(場合によっては金払ってるのに)ボランティアで奉仕してる」ってことじゃないんだと、認識して欲しい。

格闘技雑誌で、フィジカル・トレーナーが、自らが考案したトレーニング法をプロ選手に処方し、それを雑誌に公開し、1年後には「改良点が見つかったので、さらにやり方が進化しました」って感じで、別のトレーニング法を紹介していたりするけど、どうなんだろう?って思う。実験段階にある方法ならば、まずは学生なりに無料で処方し、ある程度のデータの蓄積により、エビデンスの正当性の確証を得て、その方法に改良の余地がないことを確かめてから、雑誌に公開するなり、プロ選手に処方するなりすべきじゃないのかな。もちろん、時間の経過とともに、方法が進化していくのは当然のことだけど、程度問題として、ね。

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